読み書きサイエンス教育で受動的学習から自発的学習に

宇宙はどの様に成り立っているのだろう、歴史の真実はどこのあるのか、学校教育では教えていないことを知ろうとする「探究心」に芽生えた学生は、楽しく学習 ができます。学校の成績も驚くほど伸びます。いろいろな刺激を受けて「探究心」が生まれることはもちろんですが、それにもまして「探究心」を身につけるた めには「言語能力」の習得が重要になってきます。「言語能力」を欠いた状況では先人の知恵や世界の情報は理解・吸収はできません。また、「言語能力」なし には自分の考えを伝えることができないのです。プラトン学園では「音読」「暗唱」「書き写し」を通して「言語能力」を徹底的に鍛えます。

音読・暗唱・書き写しで鍛える

国語の基本は読み・書きだといわれますが、それは具体的にいえば、音読・暗唱・書き写しです。

音読について

言語能力を鍛えるには音読は必須です。

はじめは音読をさせてもなかなかすらすらと音読できません。しかし何回も音読させることですらすらといえるようになります。これを繰り返すと、はじめはすらすら読むのに時間がかかっていた生徒でも、23回ですらすら読めるようになります。さらに様々な文章を音読することで日本語のリズムが身につき、初見の文章でもすらすら読めるようになります。

 

暗唱で鍛える

また、単に音読をするだけでも言語能力は向上しますが、暗唱まですることでさらに言語能力を鍛えることができます。

身体と同じように、脳も負荷を加えることで鍛えられます。よく学校の成績などから「うちの子は勉強ができない」と思い込む親がいますが、それは違います。徹底して基礎訓練を繰り返すことで勉強は誰でも出来るようになります。

暗唱を繰り返すことで記憶力も向上します。記憶力も鍛えれば鍛えるほど向上します。

暗唱も初めはなかなか覚えられません。200400字くらいの文章の暗唱に30分~1時間、生徒によっては「覚えられない」と根を上げる子もいます。(最初の頃は生徒の性格、集中力によってかなりばらつきがあります。)しかし暗唱を繰り返すことで覚えるスピードも速くなります。覚えられないと根を上げた子でも50回、100回と音読すれば覚えられます。最終的には400字くらいの文章でしたら5回くらい読めば暗唱できます。

 

音読・暗唱は徹底的にやる

音読・暗唱はやれば誰でもできます。生徒の中には文章を覚えろといってもなかなか覚えられない生徒もいます。そのような生徒には「50回音読しろ」といいます。そのあと覚えられなければ「あと50回音読しろ」といいます。生徒によってはそれでも覚えられないこともあります。しかし不思議なことに次の日聞くと「先生、昨日は覚えてなかったけど今日は覚えてる」と生徒が報告してきます。人間の脳の構造は偉大です。ひたすら音読を繰り返すことで脳が勝手に反応します。

かつて日本には音読・暗唱の文化がありましたが、詰め込み教育の批判から、現在ではこのような音読・暗唱が軽んじられる傾向にあります。学校の先生方も音読の重要性は重々承知であり、宿題などでも出されているでしょう。しかし回数が少なすぎます。その重要性を認知しているのであればもっと徹底的にさせるべきです。50回でも100回でも音読させ、暗唱させるべきです。

最近の子は本を読まなくなったという話は昔から言われ続けていることですが、根本的な言語能力の欠如がその状況に拍車をかけています。

使用テキスト

様々な名文をテキストとして使用しますが、プラトン学園で推奨している文章は以下のようなものです。

いずれも青空文庫などでフリーで読めます。

「坊っちゃん」

夏目漱石

新潮文庫

「名人伝」

中島敦

青空文庫

「奥の細道」

松尾芭蕉

岩波文庫


暗唱例

書き写しについて

国語の基本である「読み」については上記で説明してきました。それでは「書き」の部分は何をするのか。それは書き写しです。

書き写しとは、そのまま文章を書き写すことです。原稿用紙に文章をそのまま書くことで国語力は上がります。例えば、明治時代の知識人には漢詩と 外国語と日本語の達人が多数いました。当時はコピー機などないのでみんな本を借りたらそれを書き写していました。もちろん当時の知識人たちは小さい頃から 音読・暗誦を徹底的に指導されていました。
ある程度しっかりした文章であればどんな文章でもかまいません。国語の教科書には多くの名文があるのでまずはその辺りから始めることをお勧めします。プラトン学園では原稿用紙500枚以上を目標にしています。1000枚以上書く生徒もいます。


ただ書き写すだけでなぜ国語力が上がるのか。

書くことは「ゆっくり読むこと」でもあります。

例えば「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。」という文章を書き写す場合、「親」「譲り」「の」「無」「鉄砲」「で」といった風に細切れにいちいち文章をみて書くでしょうか。国語力のレベルにもよりますが、普通は「親譲りの無鉄砲で」「小供の時から」「損ばかりしている。」「小学校にいる時分」「学校の二階から飛び降りて」「一週間ほど」「腰を抜かした事がある」という風にある程度文章の切れ目や意味の切れ目ごとに書いていくのが普通です。人によっては最初は文節できったりするかもしれませんが、慣れていけばちゃんと意味や日本語のリズムごとに書き写すようになります。さらに慣れれば文章や段落ごとに書き写すようになります。

書き写しを行うことで日本語の文体やリズムを体で覚えることができます。

「人の話なら意味がわかるのに文章になるとわからなくなる」といった経験はありませんか。それは文語になれていないからです。口語と文語は違います。書き写しをすることで本もしっかりと読めるようになります。もちろん名文を書き写し、その文体に慣れることで文章もうまく書けるようになります。